猫の甲状腺機能亢進症における異所性甲状腺をシンチグラフィーにより描出し摘出しました。
24年07月13日
現在、動物の甲状腺のシンチグラフィーが、北里大学獣医学部・獣医放射線研究室で受けることが可能です。柿崎竹彦准教授にお願いし、このたび素晴らしい画像を撮影していただきました。我が国において、猫の甲状腺機能亢進症では手術が推奨されますが、両側に病変が発現し両側摘出した場合でも、術後3%の症例で異所性甲状腺にも過形成をおこしコントロールできない症例があると言われています。この度の症例も甲状腺機能亢進症の猫ちゃんで両側の甲状腺を摘出したのですが術後も甲状腺ホルモン値がさがらず、異所性甲状腺の過形成を疑い青森県十和田市の北里大学にシンチグラフィーを依頼しました。その結果、胸腔内に2個の異所性甲状腺が描出され、開胸手術にて摘出いたしました。我が国における最初の症例になりました。北里大学の柿崎先生に感謝するとともに青森県まで愛猫を撮影に連れていかれたご家族の方々に敬意を表します。シンチグラフィーにより今後ますます獣医療が発展していくことを期待いたします。S.S