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猫の甲状腺機能亢進症の遠方の方の手術症例が増えています。
24年10月30日
他府県より猫の甲状腺機能亢進症の手術を依頼される方が急に増えています。涼しくなってきたので自動車で連れてきやすいのも原因かも。関東、中部、四国、北陸、近畿他府県の方も来られます。東北、九州からのお問い合わせもあります。近隣のかかりつけの先生と打ち合わせさせていただき手術を行うことも可能です。内科療法に比べ完治が期待でき内科療法に比べ病状の進行も抑えることができます。ほとんどの症例で1泊2日で退院可能です。手術をおこなっている平均年齢は14歳です。手術後は、甲状腺ホルモンを内服する必要もなく毎日の投薬から解放されます。ご検討いただく価値があると思います。ホームページに概要に関しては記載されています。ご質問等がある方はお電話にて対応しますのでお気軽にお問い合わせください。 S.S
犬の僧帽弁閉鎖不全症 ACVIMコンセンサスステートメント2019
24年10月05日
米国獣医内科学会(American College of Veterinary Internal Medicine)ではいくつかの疾患に対する研究内容や診断・治療についての指針を発表しており、それをコンセンサスステートメントといいます。日々の診療において、正しく新しい情報を組み込むということは大事と考えます。犬の僧帽弁閉鎖不全症(MR)は最も遭遇する機会の多い心疾患であり、当院でも多くの患者さんがおられるため、重要と思われる点をピックアップして今回ご紹介することとしました。
心不全のステージ分類について2019年に定義が追加されました。ステージBは逆流はあるが心不全徴候を認めないもので、さらにB1とB2に分類されます。B1は逆流のせいで心臓が大きくなっていないもので、B2は心臓が大きくなっているものです。この心拡大を検出するためにはレントゲン検査、心エコー検査によって心臓を評価する必要があります。
ステージB2からピモベンダンを開始することが明記されています。ピモベンダンは血管拡張作用を持ちつつ心臓の収縮性を向上させる薬で、予後改善効果が認められると報告されています。
また外科的治療についても記載がなされるようになりました。心不全徴候が認められるステージCにおいては一番上の水晶レベルになっています。日本では小型犬の飼育頭数が多いことから、体外循環での僧帽弁修復手術を実施する施設は多くなってきました。当院でも進行が早い症例、難治性の肺水腫を繰り返す症例は、手術実績のある信頼できる施設へご紹介することがあります。また心臓だけでなく、年齢、併発疾患なども検討材料になるため、慎重な判断が必要になります。
日々アップデートされる情報を得ることで、今後の診療に活かしてまいりたいと考えております。
T.S.