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2020年 1月28日 葉月会 参加報告
20年01月29日
今回はシリーズセミナー「基礎から学べる臨床歯科」戸田 功先生の講演を受けました。
歯科疾患の発生率は3歳以上の犬猫において約8割以上と言われており、中型犬や大型犬と比べて小型犬で多く発生する傾向がある。
特に小型犬では顎骨が小さいことによる歯周病、それに伴う顎骨折が多いとされています。
対して中大型犬では破折歯が多く発生しています。
口腔内疾患を見抜くには動物たちのさりげないサインを見逃さない事です。
(例:口を触ると痛がる、食べ方がおかしい、眼の下や顎が腫れてきた、口腔内に出来物など)
早期に発見ができれば、予後が良好になるケースもあります。
動物たちとの日々のデンタルケアが大事であり、幼いころから慣れさせ、スキンシップのひとつとして定着させておきましょう。
H.F
誤嚥性肺炎ってご存知ですか?
20年01月20日
今回は「誤嚥性肺炎」に関するお話です。
ワンちゃん、ネコさんを飼っているご家庭では6ヶ月齢を過ぎると不妊・去勢手術をしましょう!と勧められると思います。手術の事前の注意として『当日はご飯を抜いて来てくださいね』と言われると思いますが、実は...誤嚥性肺炎を防ぐためでもあるんです。
◎誤嚥性肺炎:吸引性肺炎とも言われ、唾液、食物、胃液などを口腔内常在菌と共に気管支内に吸引して起こる肺炎
...じゃあ、手術と何の関係があるの?ということになりますよね。実は手術そのものというより、麻酔に関連しているんです。動物の場合多くの手術は全身麻酔で行われますが、手術が終わり麻酔の覚め際に嘔吐する場合が多く、吐いた物を誤嚥(※1)してしまうからなんですね。※1:飲食物や唾液を、誤って食道ではなく気道に飲み込むこと。
では実際、誤嚥性肺炎になるとどうなるのでしょうか。
①胃酸の吸引により上皮細胞が損傷し、細菌が侵入しやすくなる。※二次感染を生じやすくなる
②炎症や感染の結果、粘液産生量が増加し、気道閉塞となり呼吸しづらくなる
③損傷が重度の場合には、肺胞毛細血管の透過性が増し、非心臓性肺水腫となり急性促迫症候群となる
④重症度は吸引量、pH、細菌、微粒子の容積や大きさなどに影響を受ける
⑤重症の場合には治療の甲斐なく亡くなるケースもめずらしくない
手術当日にご飯を抜き忘れただけで手術が延期になった...なんて経験をされた飼い主さんもいらっしゃると思いますが、それは「誤嚥性肺炎」を防ぐために一番簡単で効果のある方法が『胃の中を空っぽにする』ことだからなんですね。
ただ、手術時の麻酔以外にも、ご飯が逆流する疾患(巨大食道症、食道憩室など)では誤嚥性肺炎のリスクがあります。フードを少量ずつ何回にも分けて与える、食事の形態を考える(ご飯後すぐに寝かせないなど)といった工夫も必要です。嘔吐が認められる場合、嘔吐の最中に大きな声をあげることで驚いて誤嚥してしまうケースもあるので注意しましょう。
K.G
1月18日 葉月会 臨床腫瘍学シリーズセミナー
20年01月18日
第5回 体位と適切な外科アプローチ法
廉澤剛先生
今回は腫瘍学の第5回目のセミナーで、教科書ではあまり書いていないようなアプローチが難しい腫瘍が中心の講義で、外科的アプローチが難しい腫瘍を安全かつ確実に摘出するために必要な解剖の理解が深まり大変ためになるセミナーでした
甲状腺癌は血管の豊富さや後喉頭神経が近くを走っているので、これを切ってしまうと喉頭麻痺を起こしてしまいます。神経がどのように走っているのか、どうアプローチすれば出血しにくいのか、実際の手術中の画像を用いて説明されていたので、理解しやすかったです。
胸腺腫や直腸の腺癌も同様に、周囲の血管や神経の分布を細かく説明していただき、次に解説していただいた腫瘍に出会ったときは、安全なアプローチをするために必要な解剖の知識を数多くの画像と共に解説していただいました。実際出会うことはあまりない腫瘍のアプローチ法でしたが、手術は難しく教科書にあまり書いていない内容が多く、非常に実践的なセミナーとなりました。
Y.N
2020年1月11~12日 秋季合同学会
20年01月15日
先日、獣医療における4分野(循環器、画像診断、麻酔外科、内視鏡)の合同学会が大阪国際交流センターにて開催されました。
今回、私は循環器認定医講習会では大学講義でもなかなか聞くことができない心臓の発生過程から正常・異常心電図までを受講してきました。
ヒトにおいては胎生22日齢で心臓が拍動しますが、そこに至るまでの詳細な発生過程は未だ解明されていない部分が多く残っており、特に心臓には左心房、左心室、右心房、右心室の計4つの部屋に分かれる理由も、その明確な発生機序も不明な部分が多々あります。ちなみにハツカネズミは妊娠期間が約20日間なため、その分化の過程はヒトとは比べ物にならないくらい早い速度ですね。
学会発表では、やはり猫の尿管結石に対する治療法が目立っていました。
最近では猫の尿管結石が増えており、その外科手術には尿管切開術、尿管膀胱新吻合術、ステント設置、SUBシステム設置があり、症例毎にふさわしい選択をしますが、近年では特にSUBシステム設置術が広まりつつあります。
当院においても猫の尿管結石に対してはSUBシステム設置術を選択することが多く、良好な経過を辿っています。
H.F
猫の日
20年01月10日
日本では一般的に2月22日は「猫の日」とされ、一般社団法人日本ペットフード協会と猫の日実行委員会が34年前の1986年に制定しました。もちろん猫ちゃんがニャンニャンニャン♪と鳴くことから2月22日になりましたがなんとも日本らしい決め方です。この日は猫ちゃんと暮らすことの喜びを噛みしめるとともに、様々な企業等のイベントや啓蒙活動を通じて猫ちゃんを守るための日になっています。
カー用品専門店のイエローハットは、猫の安全を守るための「イエローハット 全国交通にゃん全運動」というものを去年公開し、猫ちゃん専用の交通安全動画(?!)によって分かりやすく解説してくれていますので見てみてくださいね。
また海外でも猫の日はありますが、日本の2月22日ではなく各国により異なるようです。アメリカではなんと年に4日も存在します。その中でも8月17日は黒猫感謝の日という日で、猫ちゃんの中でもさらに特別な日になっています。世界の猫の日を調べるだけでもいろいろ出てくるのも楽しいですね。
当院は猫ちゃんに優しい病院、キャットフレンドリークリニックに認定されています。これからも猫ちゃんに優しい病院でありたいと思っています。
T.S.