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肛門腺のケアはされていますか?

25年02月26日

ワンちゃんネコちゃんには肛門の左右(時計に例えれば4時と8時の位置)に肛門嚢(腺)、いわゆる臭い袋を持っています。この中に強い刺激臭がする分泌物が入っており、哺乳類の匂いによるコミュニケーションに使われるといわれています。 

正常では、ウンチをする時に肛門腺が圧迫されて、便と一緒にこの分泌物が排泄されます。しかし、1)生まれつき肛門腺が出にくい、2)加齢とともに分泌物の性状が変わり溜まりやすくなる、3)下痢などによる炎症が原因で排出する穴がふさがってしまう、などの理由により、肛門嚢が閉塞してしまうことがあります。 

お尻を気にする頻度が増える、地面にお尻をこする、舐めるなどの行為が目立つときは、肛門腺を絞ってあげるサインです。肛門腺絞りの頻度はその子によって異なり、1か月に1回程度必要な子もいれば、必要ない場合もあります。おしりに違和感があり、疑わしい症状がみられたら、病院やペットトリミングで肛門腺を絞ってもらいましょう。 

 

肛門嚢が閉塞したまま放置していると、最終的に肛門嚢近くの皮膚が破れ、肛門嚢破裂を起こしていまします。破裂してしまった場合、破裂部位を洗浄・消毒し、残っている膿の排出を促していきます。破裂部位を清潔に保つために、数日に1度の患部の洗浄をしたり、再発しないように肛門腺の管を洗浄したりと慎重な治療が必要になります。 

肛門嚢破裂は、早期発見と適切な対応により、深刻な状態への進行を防ぐことができます。肛門腺絞りは少しコツがいるため、自宅で難しい場合もあります。気になることがあれば、いつでも病院にご相談ください。 

D.N.