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てんかん発作の管理
23年12月30日
てんかん発作を罹患している患者さんはとても多く、MRI検査の普及によりそのさまざまな原因を明らかにすることもできるようになりました。原因により治療法も多岐にわたりますが、最も多い原因となる特発性てんかんの治療の基本はてんかん発作を起こさないようにするための抗てんかん薬の内服が基本になります。お薬以外のてんかん発作の管理のために現在分かっていることを以下に述べてみます。
・ストレス
動物にとってのストレスとは何になるのかは難しいですが、ストレスを感じるとてんかん発作が誘発されます。犬はストレスを匂いで感じ取ることができるという報告もあり、またそれは飼い主さんである家族のストレスをも感じ取ると言われています。また運動習慣や睡眠改善などライフスタイルの向上がてんかんの改善につながるとの報告があります。
・食事
人ではケトン食がてんかんの改善につながるとの報告がありますが動物では実施が難しく、その代替としてMCTオイルなどの中鎖脂肪酸がてんかん発作改善に良いと言われています。全頭で効果が認められるわけではないようですが、神経病療法食なども販売されているため試してみる価値はあると思われます。
てんかん発作はその病型含め、その患者さんごとに内服などの治療法を考えなければなりません。少しでもてんかん発作で苦しむ動物やご家族の負担を減らせるようになればと思っております。
T.S.