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犬におけるてんかん重積の今後の管理法
20年09月20日
てんかんの定義として、最も一般的に支持されているのはWHOによる「種々の病因に起因する脳の慢性疾患であり、大脳神経細胞の過剰な発射に由来する反復性の発作を主徴とし、様々な臨床所見を伴う」とあります。
このてんかんは、ヒトだけでなく、イヌ・ネコにも同様に認められます。
もし、てんかん患者に遭遇した場合、その場合どうすればいいのか?今までも様々な議論がありました。確信的な方法としては静脈ルートからの鎮静薬投与であります。しかし、いざてんかんを起こして落ち着きのない患者に静脈確保はなかなか困難な時もあります。
2019年のJournal of Veterinary Internal Medicine に掲載されている、てんかん重積を起こしている犬に対してミダゾラムの鼻腔内投与と静脈投与の比較検討という報告があります。
この報告によると、同量のミダゾラムの投与方法を変えて比較検討したものです。てんかん重積時間の中央値はミダゾラムの鼻腔内投与群では33秒、静脈投与群では64秒という結果であった。
このことから、いかに鼻腔内投与が発作抑制に優位な手順であることを示すと同時に、緊急時での静脈確保を必要とせず発作の管理ができることから、今後のてんかん重積の管理法の一つとなりうるでしょう。
H.F
犬の発汗
20年09月20日
犬の体温調節は呼吸に依存していることは周知の事実である。そのためか犬は汗をかかないと思われることもあるが、犬にも人と同じように汗を分泌する汗腺としてアポクリン腺とエクリン腺が存在する。汗には体温調節の他皮膚の保湿機能、フェロモンの分泌、抗菌活性や老廃物の排泄など様々な役割があり、犬においても同様であると考えられる。
気温が上がることによって発汗が引き起こされるアポクリン腺は犬では腋窩、鼠径部、腹部で多い傾向があり、過去の研究では室温をあげることによって犬でもこの部位からの発汗が口唇が認められている。一方肉球の裏に汗をかくということは病院に来た患者さんも診たことがあると思うが、これは体温が上がることの発刊ではなくおもに緊張などの精神性発汗と考えられている。
人では多汗症からの皮膚トラブルが知られているが犬では見た目で汗っかきであるという診断はなかなか難しい。しかしながら過去の報告では病理組織検査をしたアトピー性皮膚炎に罹患している患者の4~13%で脂漏症と多汗症の併発が見られたという報告もあり、汗っかきで皮膚が弱くなってしまう。という犬は確かに存在している。犬における多汗症のガイドラインは見られていないが基本的には暑さのコントロールと清潔にしてあげるためのシャンプーが一番であるという皮膚病の基本が大事ではないかと思われる。
S.A