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進化した多血小板血漿療法(PRP)

20年03月10日

多血小板血漿とは濃い濃度の血小板を含む血漿のことで、高い組織再生能力を持つことから組織再生を目的に使用されます。最近ではエンゼルスの大谷翔平選手が肘のケガの際に使用したことで話題になりました。当院では以前からこのPRP療法を種々の治療に使用しておりましたが、新製品のPRPキットの発売により、進化したPRPを用いることができるようになりました。

 血小板は種々の成長因子を含有しています。代表的なものはVEGF(血管内皮細胞増殖因子)TGF-β(トランスフォーミング成長因子β)IGF(インスリン様成長因子)などです。採取した静脈血を遠心分離した後に、バフィーコート(白血球・血小板を含む層)を回収することでLR-PRP(Leucocyte rich PRP)を得ることができます。これを活性化し、徐放剤と組み合わせることで長時間作用させることができるようになりました。手技は今までのPRPに比べるとやや煩雑で時間もかかりますが、その分より高い効果を得られるようです。

 これまで以上に期待されるPRPは難治性の創傷治療、角膜潰瘍、骨折治療などに応用出来たらと思っております。

T.S.