南が丘動物通信トップ
最近のエントリー
- 2024年
- 2023年
- 2022年
- 2021年
- 2020年
- 2019年
- 2018年
- 2017年
- 2016年
- 2015年
- 2014年
- 2013年
- 2012年
- 2011年
- 2010年
- 2009年
- 2008年
6月14日 葉月会 腎・泌尿器学シリーズセミナー第7回 急性腎不全の治療
19年06月15日
宮田優一先生 日本獣医生命科学大学 獣医内科学教室第二 講師
第7回 1から始める腎臓病のはなし
腎・泌尿器学シリーズセミナー第7回のテーマは『急性腎不全の治療』に関してでした。
急性腎不全は腎毒性物質の摂取、感染症、尿路閉塞などの原因で本来尿として排出される成分が過剰に体内に急速に蓄積されてしまい、乏尿、無尿になると最悪死に至る疾患です。
急性腎不全になると①脱水②腎臓の血流の低下③電解質の変化 が問題になり、これらを是正するためには輸液が大切になってきます。ただし、闇雲に輸液をすればいいというものではありません。①どのくらい脱水しているのか?②どのくらいの量、速度で輸液をすればいいのか?③電解質の是正をするために一番適している輸液剤はどれか? をしっかり考慮して、輸液数時間後に体重測定や血液検査を行い、最適な治療が行えているかを評価し、その上で今後の治療の方針を決めていかなければなりません。特に急性腎不全のときは必ずといっていいほど代謝性アシドーシスに陥っています。アシドーシスの程度がひどい場合はすぐに治療しないと高K血症に繋がり不整脈など心機能に影響が出る場合もあります。
急性腎不全の場合、病気の評価や輸液、薬剤の選択を誤れば死に直結することもあります。そのことをしっかり自覚して治療を行わなければならないことを強く感じました。
K.G