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視覚障害の診断の難しさ
18年11月04日
外観異常を示す眼科疾患(眼が白いetc.)は、異常を指摘して飼い主に詳しく説明することができるため、診断評価を客観的に示すことができる。
しかし、これに対して視覚障害を示す疾患では、綿球落下試験や障害物試験等の視覚機能検査の結果を飼い主が認めた視覚異常に関連づけて診断することは難しい。
理由として
-
来院理由となった視覚異常の状況把握が飼い主の説明によって左右される
-
検査時における動物の状態によって再現性が不安定になる
-
眼に外観的異常(腫瘤や混濁etc.)がある際、実施できない検査項目がある
などが挙げられます。
一般的に失明した犬、猫は無表情になると言われており、これらの動物は眼を使って物に対して集中し認識する「固視点(アイコンタクト)」があります。
つまり、犬猫における視覚障害は飼い主に向けた仕草や行動に異常を示すことが多くなる。
このような観点から、飼い主ができる犬猫の視覚評価は
-
ものに注目するときに示す姿勢や仕草
-
飼い主へ向けた表情
-
固視点の存在
を調べることで把握することができます。ぜひ注意して見て下さい 。
H.F
左:飼い主へ向けた表情 右:無表情(両側性網膜剥離)