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犬のブドウ膜皮膚症候群
18年08月26日
犬の免疫に関連した疾患には胃腸器系、血液系、内分泌系など様々な部位に対するものがあります。その中でも犬のブドウ膜皮膚症候群はその名前の通り、眼と皮膚、特に眼に対して大きく異常をもたらす疾患です。
犬のブドウ膜皮膚症候群はメラニン色素を含む細胞に対して自己免疫が攻撃をしてしまう疾患です。犬の中でも特に秋田犬での報告が多く、秋田犬が高頻度に保有する遺伝子と関連しているのではないかと考えられています。
具体的にはブドウ膜のメラニン細胞に対して自己抗体が産生され、肉芽腫性汎ブドウ膜炎が発生し、皮膚と被毛の色素形成欠損が起こします。そのため、通常は突然の前ブドウ膜炎、ケラチン沈着、前房出血および瞳孔反射の低下がみられます。皮膚に関しては眼の症状と同時ないしは遅れて出ることが多く、境界のはっきりした対称性の脱色素班が鼻・唇及び眼瞼に出現するのが特徴です。進行すると失明してしまうため、早期に積極的な治療が必要な疾患で、局所的な眼に対する治療に加えて全身的な免疫抑制療法が必要になります。症状が落ち着いても免疫に対する治療に関しては生涯に通じて行う必要があります。
繁殖のための黄体ホルモン検査。
18年08月26日
繁殖させたい方にお勧めしたい検査が黄体ホルモン検査です。以前は膣スメア検査を行っていた時期がありますが残念ながら排卵日を予測するのは難しいようです。ICBSの資格を取るセミナーの中で膣スメア検査から排卵日をあてるゲームをしましたが10名ほどの参加者、講演の指導医を含め誰もあてることはできませんでした。スメア検査は、排卵後6日目にいきなり細胞のタイプが変わることが知られており遡って排卵日を知ることは可能ですが予測困難な検査です。
当院におけるブリーダーさんが出血に気が付いてから排卵までの日にちは3~28日とさまざまです。排卵日がわかることによるメリットは①一番理想的な交配適期がわかる。②仔犬の頭数が期待できる。③凍結精液の人工授精でも繁殖可能になる。④お産の日にちは排卵後63日になることが多く予測を立てることが可能。⑤帝王切開のタイミングがわかり早く手術をしたために育たないようなことを避けることが可能。
精子の生存期間は11日、卵子の生存期間は5日あり交尾から出産までの期間は理論上では58~71日間あることになります。そのことによりお産の日の予測立ては困難となります。
現在黄体ホルモンの検査は、検査センター、バイダスミニ、パスファーストが使用されていますが装置による差が大きいため注意が必要です。また検査センターに出していると時間がかかり間に合わないという問題がおきるためお困りの方は当院にご連絡いただければ、かかりつけ医さんと打ち合わせの上対処可能です。
S.S