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心臓の検査~心エコー図検査~

18年08月05日

 人医学では心疾患は3大疾病に挙げられ、死因の多くを占める問題の疾患です。心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患が多いのですが、一方で犬は、本邦では小型犬が人気のために僧帽弁閉鎖不全症などの弁膜疾患が多く見られます。大型犬では拡張型心筋症、猫では肥大型心筋症などの心筋症が散見されます。

 心臓病があるからもう死が近いとか、治療してもムダというわけではありません。それぞれの病気の進行度に合った治療法を選択していけば、心臓病の進行を緩徐にしていくことができます。その進行度を測るための検査のひとつが、心エコー図検査になります。

 心臓病が進むと心臓が大きくなる心拡大に陥りますが、心エコー図検査では具体的に4つある心臓の部屋がどのくらい大きくなっているのか細かく見ることができます。また心臓の筋肉(心筋)の収縮力を測ったり、実は心臓の機能で大事なのが拡がる力(拡張能)ですが、これもエコー検査のドプラ機能を使って測定することができます。ドプラ機能とは血液の流れの方向性と速さを計測するもので、異常血流や逆流速度など様々な測定に用いられます。エコー検査の良い面は、侵襲がなく短時間で済みますし、ほとんどの子がおとなしく検査してくれるという点です。

 もちろん心エコー図検査のみですべてが診断できるわけではありません。不随する病気や腎機能を知るためにも、レントゲン検査や心電図検査、血液検査等と組み合わせて総合的に診断する必要がありますが、特に心臓機能を知るには心エコー図検査が最も大事な検査といえます。当院でもご紹介しておりますが現在では小型犬の僧帽弁閉鎖不全症は手術適応の疾患となりました。手術の是非を知るにもエコー検査は必須となります。心臓病の進行度を知り、心臓病で苦しむ子が少なくなるよう、当院では詳細な検査をご提示しています。

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T.S.