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肝皮膚症候群
16年07月31日
肝皮膚症候群(表在性壊死性皮膚炎)とは肝臓の疾患に随伴して起こる皮膚病を指します。
原因としては肝臓で合成されるアミノ酸が著しく減少することによって皮膚の栄養失調が起こるためと考えられており、特に四肢端のような血液供給の少ないところでよく見られます。組織学的な所見は亜鉛反応性皮膚炎と似通っているため、亜鉛欠乏症も関与していると考えられています。また、表在性壊死性皮膚炎を発症した犬は25%が糖尿病を発症している報告がありますが、この原因についてはまだはっきりとはわかっていません。
症状としては典型的には紅斑、痂疲、罹患した肢のパッドや鼻、眼窩周囲、肛門周囲、外陰部に角化亢進が認められます。
確定診断は皮膚生検で特徴的な所見が得られます。治療は基礎疾患の治療が必要となりますが、基礎疾患が特定できない場合にはアミノ酸/タンパク質の補給によって少数ではありますが、改善が得られた報告があります。
S.A