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猫の肺指症候群
12年11月27日
犬と猫における原発性肺腫瘍の挙動を比較すると、大きな違いは転移病巣の発現部位にあります。犬では肺組織やリンパ節転移が多いのに比べて、猫では全身に転移するほうが多いと言われています。猫の原発性肺腫瘍の好発転移部は指であり、特に第3指に転移病巣が認められます。他に腎臓、心臓、筋骨格、胸腔内などに転移がみとめられることもあります。猫の肺腫瘍で発現する症状で最も多いのは発咳や呼吸困難でなく跛行です。
ある報告によると指に腫瘍が発生した猫の87%が転移性腫瘍であり、他は扁平上皮癌であったと報告されています。つまり指に腫瘍が認められた際、ほとんどは転移により出来た病巣であるということです。
猫が跛行している際の鑑別診断として咬傷や骨折、血栓症などがあげられますが、原発性肺腫瘍の転移も常に考慮しなければなりません。