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犬と猫の血圧測定
11年09月08日
人間であれば健康診断のひとつとして血圧をはかることはあたりまえのことと考えられています。しかし犬と猫の無麻酔時の正常血圧を計測することの難しさなどからあまり計測されませんでした。犬や猫の血圧が近年になって注目を集めています。
20年くらい前よりダイナマップという商品が売り出され腎蔵疾患などにおける評価の重要性が言われるようになり、治療に役立つようになってきました。また麻酔時の血圧などの評価の重要性からいろいろの麻酔モニターに使われるようになりました。
特に5年くらい前にpetMAPといわれる商品が売り出され、無麻酔時でもより正確な値が測れるようになり高血圧の疾患が評価できるようになってきました。当院においてもダイナマップの時代より色々な機械を使用し、血圧の計測をおこなっておりましたがpetMAPとくに新製品のpetMAP grafficになってからは患者様の負担をすくなく早く計測できるようになっています。
犬猫の高血圧:収縮期血圧180~200mmHg以上 拡張期血圧120mmHg以上
犬猫の低血圧:収縮期血圧80mmHg以下 平均血圧60mmHg以下
高血圧の兆候
突然の失明(網膜剥離、散瞳、眼内出血)、多飲多尿、体重減少、食欲減少、心悸亢進
高血圧を起こす疾患
腎疾患:子宮体腎炎、慢性間質性腎炎、アミロイドーシス、多発性囊胞腎、子宮体硬化症
副腎疾患:副腎皮質機能亢進症、褐色細胞腫、高アルドステロン症
甲状腺疾患:甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症
その他:僧帽弁閉鎖不全症、貧血、高脂血症、糖尿病、高エストロゲン症
人間の場合は本態性高血圧が多く、動物の場合は二次性高血圧が多いのが特徴で血圧測定より病気が発見できる可能性があり、特に高齢における血圧測定が推奨されます。
当院でも毎年高血圧症による突然の失明が何頭もあり、計測していればよかったのになあという症例もおおく、慢性腎疾患、慢性心疾患、糖尿病での併発症の予防、病気の早期発見にやくに立つと思われ、ぜひ血圧測定をお勧めいたします。