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犬の特発性てんかん
11年08月09日
特発性てんかんは犬において最も多く見られる発作の原因です。特発性とはすなわち原因不明のことで、神経学的検査や血液検査などに各種検査、またMRI検査でも異常が見当たらないものがこれに分類されます。たとえば肝臓疾患であるとか低血糖など、原因が特定できるものは症候性てんかんと言います。猫では特発性てんかんは少ないと考えられています。
特発性てんかんの特徴は初発年齢が1~5歳(ふつう6ヶ月~3歳)と若いことです。より若齢では脳などの奇形、より高齢では脳腫瘍などの可能性が高くなりますが、特発性の可能性もあります。
診断では血液検査やレントゲン検査などで症候性てんかんの原因となるものを除外します。神経学的検査も正常です。診断に際し重要なのは、発作の頻度、持続時間です。発作が起こると脳の損傷が起こります。群発あるいは重積発作を繰り返しているものでは脳損傷が進行してしまうため、抗てんかん薬による治療がすすめられます。たった一回の発作だけでは治療はすすめられません。
フェノバルビタールや臭化カリウムなどの従来の薬だけでなく、新しい抗てんかん薬ゾニサミドも治療の選択肢に加えられるようになりました。これは前者2つよりも安全性が高く、使用しやすいものです。抗てんかん薬の治療が開始した場合は、薬の血中濃度をモニタリングする必要があります。薬に反応する場合の予後は良好です。