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エキノコックス症

10年10月05日

エキノコックス症
エキノコックス症は、4類感染症(ただちに届け出)に分類されているズーノーシスであります。現在北海道で問題になっているエキノコックスは、多包条虫で、野ネズミを中間宿主としています。我々の身近な動物では、犬でありますが、猫での報告もあります。自然界では、肉食獣であるキツネと補食される野ネズミの間で、伝播しています。犬も野ネズミを補食することにより感染します。ヒトや、豚、ウマは、中間宿主で、ヒト同士などでは感染はしませんが、終宿主である、キツネや犬から排泄された虫卵を経口摂取する事によって感染します。犬自体は感染しても無症状で、駆虫薬投与でほぼ100%駆虫することが出来ます。ヒトでは、主に肝臓実質に寄生し、無性増殖します。この増殖による病巣の拡大はゆっくりで、症状が現れるまで、成人では10年以上要します。原発巣は、ほとんど肝臓でありますが、進行すると、肺、脾臓、腎臓、脳、腸間膜、骨髄等にも転移します。
無症状期のあとに、進行期があり、急速に病気の進行がおこります。
診断は早期診断出来れば、病巣は小さく治癒率は高いです。
犬は野ネズミを補食しなければ感染しないので、補食させないことが、最も重要であります。また、今まではこの病気は北海道だけの病気であると認識されていましたが、北海道から感染犬の移動の可能性がある限り、現在は確認されていませんが、本州に定着するリスクはあります。