最近のブログ
最近のエントリー
- 2024年
- 2023年
- 2022年
- 2021年
- 2020年
- 2019年
- 2018年
- 2017年
- 2016年
- 2015年
- 2014年
- 2013年
- 2012年
- 2011年
- 2010年
- 2009年
- 2008年
ネコの下部尿路疾患(FLUTD)
09年09月06日
ネコの下部尿路疾患(FLUTD)とは、下部尿路(膀胱~尿道)が閉塞して排尿障害を起こした状態を表します。
FLUTDは、主に尿路結石や尿道栓子が尿道につまることで起こります。
尿路結石の種類としてはストルバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)、シュウ酸カルシウム、尿酸塩などがあります。現在のところ、日本で見られる結石はストルバイトとシュウ酸カルシウムがほとんどです。これら結石ができる要因として尿のpHが大きく関与しており、ストルバイトはアルカリ性で、シュウ酸カルシウムは酸性で形成されやすくなります。
尿道栓子は、尿路の細菌感染から炎症を起こしてはがれた上皮細胞や細菌そのもの、その他尿細管から分泌されるタンパク質などが核となり形成されます。
初期症状としては、排尿困難、頻尿、血尿などが挙げられます。排尿の際に痛みを伴うため鳴くといった行動もよく見られます。そのまま状態が改善されないと、やがて食欲不振、嘔吐、脱水などを示しその後衰弱、虚脱して死に至ります。
治療には、閉塞の解除を目的としたカテーテル挿入、脱水、閉塞後利尿、尿毒症の治療を目的とした輸液、ストルバイト結石が原因の場合には結石を溶解し、形成を抑える食事管理などが行われます。
予防としては、常に水が飲める環境を作る、トイレを清潔に保つなどして排尿回数が減らないよう注意する事が大切です。また、肥満も結石形成の誘発因子の一つであるとされています。そして、一度尿石症になったネコは再発の可能性が高いため、予防的に療法食を続けることも重要です。
夏が終わって気温が徐々に下がっていくこれからの季節、運動量や飲水量が減るために尿石症になりやすくなります。愛猫が頻繁にトイレに行く、トイレに行くが出ていない、などの症状が現れた場合は、すぐに病院までお越し下さい。