南が丘動物通信トップ
最近のブログ
最近のエントリー
- 2024年
- 2023年
- 2022年
- 2021年
- 2020年
- 2019年
- 2018年
- 2017年
- 2016年
- 2015年
- 2014年
- 2013年
- 2012年
- 2011年
- 2010年
- 2009年
- 2008年
日本獣医循環器学会12月17・18日開催
カテゴリー:セミナー
23年01月19日
心腎連関
第117回日本獣医循環器学会・認定医講習会に参加してきました。その中で特に興味深かった一部の内容を報告いたします。
心臓と腎臓は互いに密に関連していることは明らかです。僧帽弁閉鎖不全症になると心臓に多大な負荷がかかり、その負荷を軽減するために利尿薬が必要な場合があります。利尿薬を使うと腎臓に負担がかかります。今回、心疾患患者の心臓と腎臓へのアプローチ方法を学びました。
まず、心臓病が悪化すると咳をすることがありますが、その咳は本当に心臓由来なのか?呼吸器由来ではないか?と見極めることから始まります。心臓への治療を行っても改善せず、呼吸器疾患だったという話もよくあります。
飼い主がペットの見た目の変化で気付きやすい点はリラックスしている時、つまり安静時の呼吸数です。(安静時:犬40回/分以下、猫30回/分以下)規定の回数を超えてくると呼吸が荒いと判断することもあります。その際はレントゲン検査がかなり有用となっており、判断基準となります。
また、心臓病は進行してくると腎臓病も併発するリスクがあります。心臓は全身に血液を送るポンプの働きをしており、特に僧帽弁閉鎖不全症患者における慢性心不全では腎臓への血流不全による尿細管障害や腎血流量の悪化を招き、慢性腎臓病を発症させる可能性があります。
心臓および腎臓の管理のために現在の状況把握が大切になってきます。血液検査・超音波検査・尿検査や血圧測定が有用であり、それらに合った治療法がそれぞれあります。正しく把握して見極める能力が大切であると改めて認識しました。
H.F