南が丘動物通信トップ
最近のブログ
最近のエントリー
- 2024年
- 2023年
- 2022年
- 2021年
- 2020年
- 2019年
- 2018年
- 2017年
- 2016年
- 2015年
- 2014年
- 2013年
- 2012年
- 2011年
- 2010年
- 2009年
- 2008年
10月18日 志学会 呼吸器
カテゴリー:セミナー
19年10月18日
気管虚脱は治るのか?~PLLPって何?気管外プロテアーゼの美味しい話・苦い話~
アトム動物病院 動物呼吸器病センター 米沢 覚 先生
今回は気管虚脱に関しての講義をしていただきました。気管虚脱とは気管軟骨の虚脱化・扁平化や膜性壁の伸長・下垂などにより気管の物理的狭窄が起こることで、発咳や呼吸困難などを生じる病態です。原因として考えられているのは遺伝的な素因、首輪をリードで引っ張るなどの慢性的な外的圧迫などがあります。好発犬種としてはヨークシャーテリア、ポメラニアン、チワワ、トイプードル、マルチーズなどが挙げられます。診断法としてはX線検査が主に用いられます。これまでは頸部から胸部にかけて呼気と吸気の場合を撮影して気管経を比べることで診断していましたが、今回はそれに加え補助的撮影法としてSky Viewという方法で気管の横断像を撮影し、評価する方法を学びました。治療としては、発咳を抑える内科的治療に加え、気管の虚脱を外科的に補正するステントやプロテーゼが用いられます。しかし、外科的治療には正しい知識が必要であり、胸部まで入れすぎてしまってステントが取れなくなり状態が悪化してしまった症例や手術自体は成功していても気管の血流が阻害されていまい、その結果、気管が壊死してしまった症例などの紹介がありました。今回の講義ではそうした様々な症例に関してお話を聞けました。今後、診察をする上で内科的治療で十分なのか、外科的治療が必要なのか。オーナーさんが求めていることは咳をとめることなのか。根治なのか。など今回の講義の内容を踏まえて考え、治療できるようにしていこうと思います。
K.G