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6月14日 葉月会 腎・泌尿器学シリーズセミナー第7回 急性腎不全の治療
19年06月15日
宮田優一先生 日本獣医生命科学大学 獣医内科学教室第二 講師
第7回 1から始める腎臓病のはなし
腎・泌尿器学シリーズセミナー第7回のテーマは『急性腎不全の治療』に関してでした。
急性腎不全は腎毒性物質の摂取、感染症、尿路閉塞などの原因で本来尿として排出される成分が過剰に体内に急速に蓄積されてしまい、乏尿、無尿になると最悪死に至る疾患です。
急性腎不全になると①脱水②腎臓の血流の低下③電解質の変化 が問題になり、これらを是正するためには輸液が大切になってきます。ただし、闇雲に輸液をすればいいというものではありません。①どのくらい脱水しているのか?②どのくらいの量、速度で輸液をすればいいのか?③電解質の是正をするために一番適している輸液剤はどれか? をしっかり考慮して、輸液数時間後に体重測定や血液検査を行い、最適な治療が行えているかを評価し、その上で今後の治療の方針を決めていかなければなりません。特に急性腎不全のときは必ずといっていいほど代謝性アシドーシスに陥っています。アシドーシスの程度がひどい場合はすぐに治療しないと高K血症に繋がり不整脈など心機能に影響が出る場合もあります。
急性腎不全の場合、病気の評価や輸液、薬剤の選択を誤れば死に直結することもあります。そのことをしっかり自覚して治療を行わなければならないことを強く感じました。
K.G
6/21 志学会セミナー
カテゴリー:セミナー
19年06月15日
当院では、患者様の症状に最適な治療を受けていただくべく、一流の病院を紹介させていただくことに取り組んでおり、その一環として放射線治療においては大阪府立大学 獣医臨床センター 様をご紹介させていただいております。今回は、大阪府立大放射線科の准教授である野口 俊介先生による放射線治療をテーマにしたお話をご紹介させていただきます。放射線療法とは、外科的手術、薬物治療と並ぶ癌の治療法のひとつです。人の医療においても広く用いられているため、名前を耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。当院にも、癌を患ったわんちゃん・ねこちゃんが多数来院され、日々治療を行っています。しかし、放射線治療を実施するためには特別な装置が必要で、限られた場所でしか治療を 受けることができません。大阪府立大は放射線治療を行うことができる施設のひとつです。
放射線治療とは、目に見えない放射線を使って腫瘍細胞を死滅させたり、痛みを和らげたりする治療法です。得意とするのは肥満細胞腫・鼻腔内腫瘍・メラノーマといった腫瘍になります。基本的には消化管腫瘍以外は全て適用できますが、中でも猫の鼻腔内リンパ腫は、放射線治療のみが唯一根治可能であると言われています。放射線治療が奏功した場合、生存期間が大幅に延びる可能性があります。放射線治療は、外科的手術や化学療法などと併用することもあり、長期戦になる場合もありますが、かわいいわんちゃん・猫ちゃんたちが一日でも長生きできるようしっかりサポートさせていただきます。大切な家族が癌だと診断されたら、ぜひご相談ください。たくさんの選択肢のなかから最適な治療法をご提示できるよう、日々情報収集に努めたいと思います。S.K