南が丘動物通信トップ
最近のエントリー
- 2024年
- 2023年
- 2022年
- 2021年
- 2020年
- 2019年
- 2018年
- 2017年
- 2016年
- 2015年
- 2014年
- 2013年
- 2012年
- 2011年
- 2010年
- 2009年
- 2008年
5月18日 葉月会 臨床腫瘍学 シリーズセミナー 「適切な確定診断」
カテゴリー:セミナー
19年05月27日
第一回 基礎からしっかり学ぶ臨床腫瘍学 適切な確定診断
廉澤剛先生 酪農学園大学獣医学群獣医学類 伴侶動物医療分野 教授
今回は病理診断を確定診断に用いる場合の考え方についてセミナーを受けました。
日頃、腫瘍の確定診断には、様々な生検方法を用いて腫瘍を採材し、得られた検体の病理診断を利用しています。
その結果より、手術に踏み切ったり、術後の予後や全ての腫瘍が取り切れたのかを判断することができるのですが、今回のセミナーでは病理診断の落とし穴について詳しく学びました。
例えば生検方法によっても検体から得られる情報が大きく異なってきたり、病理診断医によっても診断結果が大きく異なってきます。
何処に、どの様な腫瘍ができていてどの程度浸潤、広がってきているのか病理医に伝えることで病理診断の精度が上がってきます
生検方法の使い分けは何を知りたいかによって変わってきます。例えば肝臓の腫瘍であれば、組織構造が重要になってくるので、針を刺すだけの生検では構造がわからず、肝臓の一部を切除しない限りは組織の構造を保っているかどうかはわかりません。一方、針を刺す生検方法では肝細胞の変化や、腫瘍が肝細胞以外の腫瘍であるかは診断できます。どういった腫瘍を疑っているかで必要な検査が変わってくるのです。
病理医の診断が100%ではありませんが、帰ってきた病理検査を利用して治療を行うのが獣医師の役割です。今回の講義で病理学や腫瘍の知識が深まり、さらに勉強を続けることで、診断価値のある生検を行ったり病理検査の理解を深めていこうと思いました。
Y.N