南が丘動物通信トップ
最近のブログ
最近のエントリー
- 2024年
- 2023年
- 2022年
- 2021年
- 2020年
- 2019年
- 2018年
- 2017年
- 2016年
- 2015年
- 2014年
- 2013年
- 2012年
- 2011年
- 2010年
- 2009年
- 2008年
7月1日・2日 第17回日本獣医がん学会
カテゴリー:セミナー
17年07月03日
東京で行われた上記学会に参加してきました。今回のメインシンポジウムでは、「消化器型リンパ腫(犬・猫)」をテーマに石田卓男先生(赤坂動物病院)や小林哲也先生(日本動物がんセンター)など多くの方々の講演を聞くことができました。慢性腸炎と消化器型リンパ腫の症例では、ともに慢性の下痢や嘔吐、食欲不振などの消化器症状を呈しますが、両者を鑑別することは治療の観点からも予後の予測という観点からも非常に重要となります。また消化器型リンパ腫の中には低悪性度のものから高悪性度のものまで様々な分類があり、私たち臨床獣医師が実施する超音波検査ガイド下FNAや内視鏡検査および外科的開腹による生検が確定診断に有効となります。今回の講演では、これらの分類の詳細や生検のポイントなどについて理解を深めることができました。
また興味深かったのは、近年の研究で犬の消化器型リンパ腫と慢性腸炎には人のセリアック病と類似点があり、仮説段階ですがこれら2つはグルテン分子などの食事由来の抗原刺激により惹起された炎症による一連の症候群である可能性があるとのことです。
H.B.