南が丘動物通信トップ

カレンダー

2016年01月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

最近のエントリー

1月22日 志学会月例会

カテゴリー:セミナー

16年01月24日

明日から使える行動学~明るい未来のために今すべきこと~

講師:村田 香織 先生    もみの木動物病院

今回は動物の行動学がテーマでした。ペットの正常な行動様式を学んでアニマルウェルフェア(動物の福祉)に配慮した立場で飼い主に適切な飼育方法を指導し、問題行動を起こした時には科学的な方法でこれを治療できるような基礎知識を身に付ける事も、我々動物医療に携わる者にとって必要不可欠です。

今回の講演では、犬の社会化(生物に対する馴化)の重要さと、犬が人に対して咬むなどの攻撃行動に出る理由とその行動を修正するのに有効な手段をいくつか紹介していただきました。

また、動物を病院嫌いにさせない、動物と病院との良い関係を築く事の大切さについては痛感させられることもありました。動物と病院が良い関係を築ければ病気の早期発見につながる、よりよい治療を行うことができるなどメリットがたくさんあります。

飼い主様と動物、動物と病院とがより良い関係を築けるように、今回学んだことを実践していきたいと思います。

M.M.

1月23,24日Improve International 小動物外科学GPCertプログラム

カテゴリー:セミナー

16年01月24日

消化器外科Ⅰ

消化器外科Ⅱ

Jolle Kirpensteijn, DVM, MS, Dipl ACVS & ECVS

 今回は消化器外科についての講義でした。

 日本ではあまり見かけませんが、食道の外傷で最も多いのは木の枝による穿刺外傷です。これは人が木の枝を放り投げ、犬がそれをくわえて取ってくるときに誤ってのどをつくことで発生しますが、かなり慎重な対応が求められます。急性症例では症状が重篤ですが適切に管理すれば予後は良好です。しかし慢性症例では瘻管と膿瘍を形成し、食後に頚部からフードが漏出してきます。この場合はレントゲンだけでなくCTMRI、また細菌培養と感受性試験、手術を行いますが通常は予後不良となります。

 インスリノーマでは膵臓の部分切除術を行うことが最も生存期間の延長を期待することができますが、実際的には術後に膵炎などが発症するためになかなか難しいものです。膵臓は血管分布、また膵管の分布の点からすべての部位が切除できるわけではなく、右葉の頭側部や膵体部を切除することはほぼ不可能といわれています。右葉の尾側部であれば比較的容易に切除できます。シーリングシステムを使うと術後膵炎のリスクを低減できるようです。

 消化器の手術は比較的遭遇する機会が多いので大変勉強になりました。

T.S.