超音波検査は腹部の臓器における疾患や、心臓病の検査に日常的に用いられる検査です。いまや超音波検査なしには日々の診察は成り立たないともいえるほど重要な位置を占めています。私が学生時代の10数年前では、肺は超音波検査はすることができないとハッキリと言われていたような気がします(勉強不足だったのかもしれませんが)。しかし現在では肺においても超音波検査が実施されるようになり、改めて勉強するとその有用性に驚きました。
超音波は空気が苦手なため空気を多量に含む肺では表面でほとんどすべての超音波が反射されてしまいます。しかしその反射されるメカニズムを逆手に取って検査に活かしてしまうというのが肺超音波検査になります。反射によって得られる等間隔の高エコー性のラインをA-lineといいます。正常では空気を含む肺が、肺水腫や肺炎など、水分や細胞成分に富むようになると肺表面から深部に向かう高エコー性のラインが生じますが、これをB-lineと呼びます。また肺腫瘤や肺葉捻転においても特徴的な画像が得られます。
画像の解釈には経験が必要になりますが、それは腹部や心臓の超音波検査においても同じことがいえます。肺の超音波検査の数をこなすことで目を鍛え、この新しい検査法を習得できるよう勉強していきたいと思っています。
T.S.