近年、ネコのアレルギー性皮膚炎(過敏性皮膚炎)に関して様々な知見があります。
過敏性皮膚炎とは①ノミによる刺咬性過敏症、②蚊やその他の昆虫による刺咬性過敏性皮膚炎、➂食物抗原による食物誘発性過敏性皮膚炎、④これらを除外した環境抗原による非ノミ非食物誘発性過敏性皮膚炎など大きく4つに分類されます。今回は非ノミ非食物誘発性過敏性皮膚炎(NFNFIHD)について説明します。
NFNFIHDは強い掻痒感を認め、尚且つその他の掻痒性疾患(上記①~➂)を除外したものとしてまとめられています。この疾患のゴールは掻痒の重症度と頻度を軽減し、皮膚の良好なコントロールを行うことで本疾患に伴う感染症等から守ることにあります。掻痒感が無くなることで生活の質が大きく向上します。
治療薬として感染症に対しては抗生剤や抗真菌剤、痒みのコントロールにはステロイドや免疫抑制薬が効くとされています。動物アレルギー性疾患国際委員会は皮膚と被毛の状態改善・管理を目的とした必須脂肪酸製剤を勧めています。当院でも必須脂肪酸製剤を取り扱っており、皮膚疾患に対して使用するケースもあります。
春になり暖かくなるとノミダニなどが盛んになります。それらによる事象以外でも痒みが起きることがあることを知っていただき、少しでも生活の質の向上に繋がればと思います。
H.F