「できものができました」「イボができました」とご来院される方が多くいらっしゃいます。
皮膚腫瘍は、犬の腫瘍のうち最も多くを占めると言われています。種類も多く、良性・悪性と混在しますが、80%以上は良性であるとされています。
しかしながら、腫瘍ができる場所や年齢、その見た目などで良悪の判断はできません。
2-3mmの小さな腫瘍が悪いものである可能性もあれば、コブシ大の腫瘍が良性であることもあります。
では、良性か悪性かはどのように判断できるのでしょうか?
基本的には、動物病院を受診いただいた場合には、「細胞診検査」を行います。
細い針で腫瘍から細胞を採取し、染色して細胞の形態を確認する検査です。
しかし、これは確定診断にはなりません。
ある程度の目安にはなりますが、診断の確定には「病理組織検査」が必要になります。
そのためには腫瘍の一部または全部を摘出し、検査しなければなりません。
では、どの程度早く病院を受診するべきでしょうか?
すべてに当てはまるわけではありませんが、悪性のものにはいくつかの傾向があります。
まずは、成長速度が速いことです。
見つけた時に2-3mmだったものが、2週間後に3cmになっていたなら、それは驚くべきスピードで大きくなっていると言えます。すぐに受診しましょう。
他には、きれいな形をしておらず、表面が崩れて潰瘍化しているものです。
腫瘍が大きくなるためには血流が必要です。
血流が届かない表面は早々に崩れることがあります。
また、赤く炎症が起きているときにも早めの受診をおすすめいたします。
良性であっても、できた場所や成長スピードによっては切除をおすすめすることもあります。
いずれにせよ、迷った場合にはぜひご相談くださいね。S.K