南が丘動物通信

マイクロチップについて 19年06月05日

動物の虐待防止や動物の適切な取り扱いなどを定めた「動物愛護法」が、2019年の通常国会で改正されることになりました。いくつか改正点がありますが、今日は「販売用犬猫へのマイクロチップ装着の義務化」についてお話したいと思います。

マイクロチップとは、長さ10mm、直径2mm程度の円筒状の電子タグのことで、ひとつひとつに15桁の番号が振り当てられています。体内に埋め込んだこのマイクロチップを専用の機械で読み取ることによって、登録された情報を確認することができるシステムになっています。

今回の改正における対象者は、繁殖を生業とするブリーダーやペットショップなどで、飼い主の手に渡る前にマイクロチップを埋め込むことが義務化されます。すでに飼育されている動物たちへの装着は「努力義務」にあたり、これは、罰則などはないものの「できるだけ装着するように努めなければならない」という意味になります。

そこで、マイクロチップ装着の利点をいくつかご紹介させていただきます。まず第一に、有事にすぐ情報が確認できるということです。したがって、動物が保護された際にすぐマイクロチップを確認することによって、データベースから情報を検索し、飼い主に連絡をすることができます。首輪などはいつ外れるとも限りませんが、一度埋め込んだマイクロチップはよほどのことが無い限り外れたり失ったりしないとされています。

二つ目は、動物の身体への負担が少なく安全性が高いということです。マイクロチップは、採血などに使う針よりも少し太い専用の針を用いて首の後ろの皮膚がたっぷりある部分に挿入します。鎮痛剤・麻酔等は使わず行うことが一般的ですが、避妊・去勢手術の際に同時に装着される方も多くいます。犬では生後2週間以上経つと装着が可能です。マイクロチップ装着による副作用などの報告はひとつもありません。

当院でも、マイクロチップの装着を行っています。大震災などもしものときのために、マイクロチップは大いに活躍するということを知っていただければと思います。S.K