菅野信之先生による、「心臓バイオマーカー 外注するタイミング」のセミナーに参加させていただきました。
バイオマーカーとは、身体の状態を客観的に測定し評価するための指標で、診断や治療に用いられます。
心臓におけるバイオマーカーには、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、トロポニンIといったものが主に利用されています。
例えば、NT-ProBNPが高値ならば心臓が悪い可能性が高い、という風に使います。
今回のセミナーでは、各バイオマーカーの特徴や、どのタイミングでの測定が効果的であるのか、またその応用方法などについてご教授いただきました。
心臓疾患の診断は、聴診、エコー検査、レントゲン検査といった方法で行います。
例えば猫ちゃんなど心臓エコーが困難な場合にも血液検査で診断ができ、呼吸器疾患など他の疾患との鑑別にも使えるため、バイオマーカーの測定は有用であると考えられます。
当院でも、心臓チームによる心臓疾患手術を行う際にはその前後でNT-ProBNPを測定し、経過観察の指標としています。
アメリカなど海外において心臓バイオマーカーは、健康診断時などでも日常的に測定されているようですが、日本ではそれほど普及していないのが現実です。
心臓疾患を早期に発見するためにも健康診断における心臓バイオマーカーの測定は、聴診、心臓エコーなどと組み合わせて行うことがおすすめです。S.K