第3回 1から始める腎臓病のはなし
慢性腎臓病の治療の基本①
宮川 優一 先生 日本獣医生命科学大学 獣医内科学教室第二 講師
慢性腎疾患の犬猫について食餌管理をメインにお話していただきました。猫の特発性高カルシウム血症(明確な原因が不明)で35パーセントが尿石症を示したという報告があるが、宮川先生の症例で高カルシウム血症による尿管結石、閉塞性腎症といった病態をとる高リンでない慢性腎臓病ステージ2の猫では、腎臓病用処方食でなく、一般のシニア向けフード(ウェット)を食べさせているというお話は特に、たいへん興味深いものでした。
慢性腎臓病を悪化させる要因としては、蛋白尿・高血圧・高リン血症・脱水が知られていますが、そのリンをコントロールするうえで腎臓病用療法食は重要です。(リンの吸着剤だけでのコントロールはふつう難しい)。いろいろな論文報告をピックアップしながら、病態に合わせた治療選択について教わることのできるよい機会でした。
第四回の講義を楽しみにしています
M.K