直腸腫瘍の外科
廉澤剛先生
酪農学園大学 獣医臨床腫瘍学研究室
直腸の腫瘍の診断にはまず、指の触診による直腸検査が重要で、病巣の数や大きさ、腸壁の柔軟性、内腸骨リンパ節の状態などが確認できます。特に腫瘍が筋層まで及んでいると腸壁の柔軟性が失われるため、腫瘍の状態を確認するために触診が一番容易で重要な検査になってきます。腸管の腫瘍は高齢犬で発生し、腺癌が最も多い大腸の病気で、治療の第一選択は外科手術になります。今回のセミナーでは腸管の血管の走行や温存すべき血管などの手術におけるポイントを解説して頂き、直腸の一部に限局する粘膜病巣の場合と、粘膜に限局する全周性/多病巣の場合の手術におけるアプローチの違いを動画つきで解説して頂きました。
これから大腸のがんに出会った場合には、きちんと指による触診で腫瘍の大きさや数、浸潤度合いを確認することを忘れず、手術の際でも今回習ったアプローチ法を手術に活かしていこうと思います。
Y.N.