なんらかの病気のせいで食事を採ることができない動物でも、栄養を摂取することは最も重要な治療です。しかし強制的に口に食事を放り込む方法は動物にとっても、それを行う人にとっても多大なストレスになることが多くあります。点滴で栄養をとる方法もありますが限界があり、胃腸が働くのならばそれを使用したほうが良いとされています。
そこで栄養の支持のためにいくつかのチューブ給餌法があり、そのひとつが食道造瘻チューブ設置になります。利点は長期に渡る管理が可能であること、設置が簡便、合併症が少ないことになります。欠点はあまりありませんが、短時間ですが麻酔が必要な点くらいです。
設置後は1日4~5回、チューブから流動状にした食事を入れます。現在は優秀な処方食があるため、この方法で1日の必要なカロリーや栄養はほぼ100%摂ることができます。初期は1日1回はチューブを覆っている首の包帯を交換する必要がありますが、徐々にその頻度は減っていきます。必要がなくなればチューブは簡単に抜くことができます。
薬や点滴も大事な治療ですが、最も大事なのはごはんを食べること、つまり栄養を摂取することと考えます。栄養をつければ動物は文字通り元気になり体重が増えていきます。もちろんどの子にどのような方法が最適なのかはケースバイケースです。その子に合った栄養補給を選択すべきと考えています。
T.S.