1月13日 葉月会セミナー
皮弁形成術
酪農学園大学 獣医臨床腫瘍学研究室 廉澤剛先生
腫瘍の中には肥満細胞腫や血管周囲細胞腫といった組織の浸潤性が高く、広いマージンをとった外科的切除が必要なものがたくさんあります。そして皮膚の切除が多い場合には単純に創を寄せるだけでは皮膚が寄りません。その場合、皮膚の余裕のある部位から皮膚とそこに走る血管を移植します。これを皮弁といいます。
今回の講義では皮膚の余裕がない足や皮膚の引きつりが機能障害につながる肛門周囲、顎骨の切除も必要な口唇の腫瘍を切除した際の皮膚の寄せ方を廉澤先生が実際に行っている手術動画を見せていただきながら講義していただきました。なかでも上唇から下唇におよぶ腫瘍の後耳介動脈を用いた皮弁は圧巻でした。当院も腫瘍の外科的切除のあとの再建に苦労する症例がありました。今回教えていただいた減張切開とその管理も今後の治療に生かして、よりよい術後経過をおくらせてあげられるようにできたらと思います。
K.Y