南が丘動物通信

目が緑色に見える? 17年12月10日

わんちゃんの目が緑色に見える。そういった場合の多くは瞳孔が散大し、眼底のタペタムが見えている状態であることが多いようです。タペタム(輝板)は、動物が暗闇の中でも活動できるように光を反射する役割を持っていますが、本来、瞳孔は照明をつけた室内や昼間の屋外では対光反射(眼に光が当たると縮瞳が起こる反応)によって縮小しているのでタペタムの反射は見えません。眼は緑色には見えません。

しかし、対光反射が減弱・消失すると、眼底の反射光がわたしたちの方まで届くこととなり、「目が緑色に見える」という現象が生じます。対光反射は光が網膜に入り、神経に伝わり、最終的に瞳孔括約筋が動くまでの経路のうちどこかに異常があると減弱・消失します。つまり、視神経の異常や、網膜の異常、脳神経系の疾患、虹彩そのものの異常......といったように対光反射の経路ひとつひとつに原因がある可能性があります。

散瞳が認められる疾患は重篤な疾患である場合も多いため、目が緑色に見える? そんなときは、ぜひ詳しい検査を行ったほうがよいでしょう。

M.K