HORIBA小動物学術セミナー
「DICと血栓症 臨床に直結する最新の診断法と治療薬」
辻本 元 先生(東京大学動物医療センター)
DICと血栓症は臨床現場でも多くみられ、命のリスクが伴う大変怖い状態です。しかしながら従来の血小板、凝固機能検査、FDPの検査では確定診断をつけることに時間がかかってしまったり、他の疾病との重複により見落としてしまったりする場合がありました。今回のセミナーではDIC、血栓症のメカニズムのおさらいからはじまり、試案ではありますが新たな血小板数の評価法やTAT・AT・Dダイマーを用いた評価法を教えて頂きました。当院でも最近Dダイマーを測定できるようになっており、今回学んだことをより良い診療と飼い主様への説明に活かしていきたいと思います。後半では抗血栓薬の臨床応用を論文と辻本先生の症例を交えて解説して頂きました。抗血小板薬であるクロピドグレルや抗凝固薬であるリバーロキサバンはどちらも新しい薬で副作用のことも考えると少し使用の難しさを感じていました。今回は従来のアスピリンやヘパリンに対する有用性のデータや副作用が実際に出た時の用量、その対処まで話を聞くことができ、使用法がしっかり理解できました。K.Y