ラプロスについて
共立製薬
猫ちゃんの慢性腎臓病の新しい治療薬として発売されたラプロス®についてお話を伺ってきました。成分のベラプロストナトリウムはヒトで肺高血圧症の治療薬として長く用いられている薬で、今年新たに動物用医薬品として初めて「腎機能低下の抑制」が効果・効能で認められました。猫ちゃんの腎臓病は、腎臓で起こっている炎症や繊維化による血管収縮が負のスパイラルを起こし進行していきます。ラプロス®の作用にはその炎症の抑制作用や、血管拡張作用などがあり、複数の面から腎臓病の進行を抑制するそうです。また、この血管拡張作用によって消化器系の血流もいっしょに増進され、猫ちゃんの食欲不振を改善する効果も報告されています。無味無臭で小さな錠剤(直径6mm)で比較的飲ませやすい錠剤であることも、治療を続けていく猫ちゃんにとって、飼い主さんにとって、メリットのひとつですね。高齢の猫ちゃんとは切っても切れない関係の慢性腎臓病の治療に、新たな選択肢が増えたことはとても喜ばしいことです。
M.K.