副腎の外科
酪農学園大学獣医学部伴侶動物医療部門 廉澤剛先生
副腎の病気は副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)が有名で、その原因のひとつとして副腎の腫瘍があります。副腎は腹腔の奥深くにあったり大血管の近くにあったりと、手術時のアプローチが難しく、また腫瘍の多くでクッシング症候群などを呈するために術後の合併症などが重要になるため、今回廉澤先生にはそのポイントについて主に講義していただきました。
副腎腫瘍は横隔腹静脈をつたって大血管に侵入します。血管壁に固着している場合は手術が困難になるのですが、CTにおいて血流が腫瘍と血管壁のあいだを流れているかで固着の有無を判断できるそうです。また術後に遅い時期でも転移が生じること、大型犬においては長径5cm以上が危険因子になることも印象的でした。
副腎腫瘍は日常的によくみる腫瘍のため勉強になりました。
T.S