僧房弁閉鎖不全症の診断・治療 後編
日本獣医生命科学大学 竹村 直行先生
僧房弁閉鎖不全症では末期になると左房の血圧が上がってしまうことにより、肺高血圧症が引き起こされます。肺高血圧症になると左心室だけでなく右心室にも負荷がかかり、右心系の肥大が助長されるほか、肺動脈の表面積が減少、更に左心不全を起こすと生命予後がそうでないものに比較して明らかな悪化がみられてきます。
今回はそのような肺高血圧についての基本的な知識と診断、治療についてお話しいただきました。診断に関しては心臓エコーを用いたもののほかにも、聴診・レントゲン、バイオマーカーを用いた確認方法についてどのくらいの信頼度があるのかについて文献を交えながら教えていただきました。聴診でも肺高血圧の診断に役立つことをお聞きして、定期的な心臓のエコーももちろん大切ではありますが、普段来院していただいた際にちゃんと聴診して今までとの変化を確認することが重要なことであると再認識しました。
S.A