南が丘動物通信

猫の食欲不振 16年08月14日
猫の食欲不振を判断するうえで猫の食に対するいくつかの特性を知っておく必要があります。猫は犬と違って群れをなさず、単独で狩りをして食餌をとる動物です。そのため猫は自分より小さなネズミのような動物しかとらえられず、捕食したネズミから1日のエネルギー量を満たすためには昼夜問わず何回も狩りを繰り返して、何匹ものネズミを捕らえる必要がありました。そういった食性の名残からか、おうちで一緒に暮らす猫ちゃんも与えられた食事を一度に食べてしまわず、何回にも分けて食べることが多いのではないでしょうか。そのため猫が本当にごはんを食べないのかどうかを判断するには一回当たりに食べている量ではなく一日にどれだけ食べているかで判断する必要があります。  また猫は食にうるさい動物でたとえ空腹であっても気に入らないものは食べないということもよくあります。特に子猫の時から同じものばかり食べていた猫でそういった傾向が強く、反対に子猫の時からいろんなものを食べていた元野良猫さんなんかでは成猫になってもなんでも食べる傾向があります。なので子猫の時にどういったごはんを食べていたかや最近ごはんの種類を変えていないかなども思い返す必要があります。  その他、猫は酸味を嫌う動物であるため、時間がたち酸化してしまったドライフードには全く口をつけないということもよくあります。そういった場合には古くなったドライフードは捨てて新しいフードに変えてあげると急に食べるようになったりします。  猫が本当にしんどくてごはんを食べないのかあるいは単に猫の気まぐれでごはんをたべないのかを判断するのは難しいですが以上のような点に注意して観察してみてください。 また猫がごはんを食べない状態が何日も続くと体が脂肪をエネルギー源として使おうとするため脂肪が肝臓に蓄積し肝リピドーシスといった病気を招いてしまうこともあります。特に太った猫でそういった傾向が強いため、2日以上続けてごはんを食べないというようなことがあれば早めにご相談ください。 Y.I