南が丘動物通信

麦粒腫 16年01月03日

 麦粒腫とはいわゆる「ものもらい」とか「めばちこ」と呼ばれる、眼瞼の縁に存在する腺の細菌感染症のことをいいます。人のものと同様、眼瞼が腫脹することで気がつきます。

 原因はモル腺やツァイス腺などの腺に、ぶどう球菌などが感染することで、眼瞼の浮腫、紅斑、痒みなどを引き起こします。眼瞼を反転させると黄白色の膿瘍が観察できることで診断できます。若齢の犬に多く発生しますが、慢性化や再発することも多いため注意が必要です。程度により抗生物質を点眼、または全身投与を行ったり、場合によっては薬剤感受性試験に基づいた治療が必要になります。治療は長期間必要で、最低でも3週間、重症ならば2ヵ月ほど行うこともあります。また腫れがひどく局所的な場合は切開を行って排膿することもあります。わんちゃんは眼を気にするとこすって、二次的に眼に傷をつくることも少なくありません。眼を気にしているわんちゃんがいましたらご相談ください。

T.S.