実際の症例から考える眼科学⑤~水晶体疾患PART1~
辻田 裕規 先生
北摂ベッツセンター、米国獣医眼科専門医
水晶体が白く濁ってくる病気には白内障や核硬化症(加齢性)が代表的です。核硬化症は加齢性の変化で視力もあるので良いのですが、白内障の場合ぶどう膜炎や緑内障をも引き起こす可能性があり注意が必要です。白内障は進行度、年齢、位置によって分類をします。遺伝的要素が大きくかかわるものもあり、ボストンテリア、コッカ‐スパニエルなどは進行が速いものがあるので経過観察も注意が必要です。また、糖尿病罹患犬は糖の代謝経路が正常と異なるため75%が一年以内に白内障を発症するようです。
今回のセミナーで、白内障を診るにあたり大切なことは白内障の進行度により手術を勧めるタイミングをしっかり見ることと、定期的に健診を行い進行をみていく事だと思いました。手術をしなくても大丈夫なのか、手術をしたほうがよいのかは犬にとっても飼い主様にとっても大きな選択になるのでそこをしっかり見極められるようにしたいです。
M.M.