実際の症例から考える眼科学~ブドウ膜疾患Part2~
辻田 裕規 先生
北摂ベッツセンター、米国獣医眼科専門医
今回のテーマは前回に引き続きぶどう膜疾患でした。ぶどう膜は眼の中では血管が豊富であるので炎症が起きやすい部位です。今回はぶどう膜炎の徴候を見逃さないことと、ぶどう膜炎は重度の場合、特に両眼に出てきた場合全身の精査が重要であることを学びました。ぶどう膜の疾患で怖いものにメラノーマというものがあります。これはヒトでは90%以上が悪性と言われていますが、犬では20%であるという報告があります。しかし非常に転移の多い腫瘍ですので悪性の場合眼球摘出が必要となります。眼球摘出を行うと顔貌がかなり変わってしまいますし、良性の可能性もあるということから眼球摘出をするかどうかは飼い主様と慎重に相談して決めていくべきだという話が印象に残りました。 M.M.