南が丘動物通信

犬の子宮蓄膿症性腹膜炎の血液透析症例 13年07月05日

DSC08343.JPG
子宮蓄膿症による腹膜炎は時々来院されます。卵管から微量ずつ漏れ出したものから、いっきに破裂漏出した症例までさまざまです。細菌の種類や感染状況によって腹膜炎に伴う無尿症をひきおこすケースもあり、早期発見早期手術が必須です。
先日子宮蓄膿症の破裂症例時間外で担ぎこまれました。発熱、虚脱、意識レベルが低下しています。緊急手術と特殊ドレーンチューブ設置で対応いたしました。感染のコントロールは4日目にはドレーンを抜去できました。
手術日より尿カテーテルを留置し、利尿を促進するように様々な処置をしておりましたが、翌々日よりほぼ無尿状態になり、その日より血液透析を行いました。尿毒症、黄疸は激しく予断の許さない状態です。輸血と血液透析6日間でなんとか11日後に退院し、現在貧血も徐々に回復し元気になってくれました。血液透析の有用性を再確認させてくれました。飼い主様の積極的な治療に対するご理解と熱意に感謝しております。
子宮蓄膿症に対する注意点。
①発情期のあとの黄体期(2か月以内)におきることが多い。
②未経産犬ではとくにおりものが出るとは限らない。
③多飲多尿になったら疑いましょう。
④腹膜炎を起こす前に早期の受診を。