南が丘動物通信

5月18日 葉月会腫瘍学セミナー 13年05月25日

酪農学園大学 教授 廉澤 剛 先生

今回は胆嚢・脾臓の腫瘍の切除術に関する講義でした。胆嚢は肝臓で産生される胆汁を貯蔵・濃縮する臓器で摘出しても生活に大きな問題は起こりません。脾臓は,リンパ球の産生や造血機能,老朽化した血球の除去を司る臓器ですが,これらの機能は他の臓器で補完され得ます。脾臓は全摘出した場合バベシア症などの異常時における対応能力が低下するので,悪性腫瘍で無い疾患の場合は部分切除に留めた方がよいのですが,悪性腫瘍で無いという確定が困難であるため全摘出が選択されることが多いようです。先日,当院でも脾臓の全摘出術を行った症例があり,胆嚢・脾臓切除時の術者が注意しなければならない点を丁寧に説明してくださった今回の講義は非常に勉強になりました。