猫の甲状腺機能亢進症は高齢の猫に良く認められます。痩せてくる、よく食事をたべる、水をよく飲む、活発になる、などが特徴になりやすい病気です。見た目が元気なことから手遅れになることが多く、気が付かずに放置しておくと心臓、腎臓、肝臓など多臓器にダメージを与えてしまいます。
治療は内服薬の抗甲状腺剤または手術です。放射性ヨード療法という放射線治療はアメリカで行われておりますが、日本ではまだ法律上の問題から行われておりません。内服療法は完治を目的にはできず、効果が低下したり副作用により継続困難になる例が多く長生きをさせることは困難です。手術は難易度は高いものの完治を目標にすることが可能で、術後薬を飲む必要もなくなることから経済的でもあります。上皮小体とよばれる甲状腺に付着した小さなカルシウムをコントロールする器官に如何にダメージをあたえずに保存できるかが手術のポイントになります。
写真は18歳猫の甲状腺です。甲状腺機能亢進症を内科的にコントロールしたのち手術にて摘出いたしました。最近痩せてきたなと思ったら診察をお勧めいたします。