ウサギのスナッフルとは、鼻炎・副鼻腔炎などの上部気道の炎症から起こる「くしゃみ、鼻汁、鼻閉などの呼吸器症状」を示す疾患の総称です。ウイルスや細菌などが原因の感染性のものと、切歯や臼歯の根尖部の過長や石灰沈着、あるいは口吻部の打撲などの外傷が鼻腔に影響を及ぼすことで起こる非感染性のものがあります。
症状は、初期には鼻汁、くしゃみ、鼻汁による被毛の汚れを呈しますが、症状の悪化に伴い鼻閉による呼吸困難が起こると努力性呼吸、開口呼吸が認められ、一般状態も低下してきます。
多くは細菌感染を伴うものであるため、治療は抗生物質の投与を行います。鼻汁などを用いた培養検査・感受性試験を行うことで抗生剤の種類を検討することができます。鼻閉による呼吸困難がある場合はネブライザー(液体の薬剤を噴霧する装置)を用いた治療を併用することもあります。
早期の抗生物質の投与により症状が速やかに改善された場合には完治することも多いですが、再発する場合や慢性経過をとる場合も少なくありません。しかし、完治しない場合でも上記の治療や生活環境の改善などにより症状の軽減・コントロールが可能となります。