南が丘動物通信

8月29日 葉月会セミナー 09年08月31日

臨床皮膚病学マニュアルセミナー
東京農工大学 農学部 獣医内科学教室 教授
岩崎 利郎 先生

今回は第二回目のセミナーで、犬毛包虫症と疥癬の診断と治療、MDR1遺伝子の異常を含めてという、タイトルでした。スクレーピング検査は、それぞれ検査したい目的によって、どこまでスクレーピングするかが、異なります。動画での解説はとても印象深いものでした。 また、毛包虫症や、疥癬での症状や、治療を一つ一つ丁寧に教わることが出来ました。
またMDR1遺伝子とは、P糖蛋白をコードする遺伝子で、このP糖蛋白は、薬物を細胞外へ排泄する役割があります。この遺伝子が、変異している場合、薬物の毒性が、強く出てしまうことがあるとのことです。このMDR1遺伝子の異常を持っている個体の犬種別では、圧倒的にコリー系が多く、毛包虫や疥癬の治療にコリー系犬種がイベルペクチンが使えないのは、この遺伝子の変異に起因すると考えられています。この遺伝子を事前に調べることによって、コリー系犬種の毛包虫や疥癬の治療にイベルメクチンを使用できたケースを教わりました。