南が丘動物通信

活性化リンパ球療法 09年02月03日

1985年にRosemberg博士が試験管内に増殖活性化させた自己リンパ球を癌の治療に用いて、良好な結果がえられたと報告されていらい、癌における免疫療法は新しい治療法として注目を集めてきました。人の免疫療法は1990年代の後半になって積極的に用いられるようになり、大学病院や専門病院が高度先端医療として、手術・抗癌剤・放射線療法に次ぐ第四番目の療法として実用化されています。
活性化リンパ球療法の大きな利点は副作用はほとんどないことです。21世紀における新しい癌の治療法として最も期待されており、世界中の大学や医療施設が研究し、ますます発展していく分野であると思われます。
動物においても、癌の最先端の治療として免疫療法ははじまっております。
どのような癌に効果があるのか、どのように使っていくべきかは徐々に分かってきており、効果をおさめることができるようになってきております。活性化リンパ球療法の特徴をあげますと、①副作用がほとんどない②延命効果が期待できる③癌における苦痛や自覚症状を和らげることが出来る④ほかの療法と併用しながら治療がおこなえ相乗効果が期待でき、副作用をおさえる効果もある、というようなことです。
治療法は採血し、その中からリンパ球を分離します。リンパ球を2週間かけて活性化増幅させた後、再び点滴で体内に戻します。特に体に対する負担などは極めて少ない治療法です。当院におきましても活性化リンパ球療法を行っております。高度医療により癌とたたかう動物たちと飼主様の手助けがすこしでもできましたらと考えております。