南が丘動物通信

6月16~18日 第106回日本獣医麻酔外科学会学術集会 23年06月18日

 ホームページでもお知らせさせていただいておりましたが、6月17, 18日、日本獣医麻酔外科学会学術集会に参加させていただくため埼玉県大宮市に行ってまいりました。長いあいだ新型コロナウイルス感染症流行に伴い対面式の学会開催が中止されてきましたが、前回の福岡大会より対面方式が復活し、今回の大宮大会でさらに充実した学会開催となりました。

 軟部組織外科シンポジウムでは腸閉塞/腸重積についてでした。画像診断を駆使して早期に診断し、適切な外科手術を実施するかがやはり重要ということを再認識いたしました。腸切除後の短腸症候群については小動物領域においては意外と発生率が低いのではないかとする考察は興味深いものでした。

 麻酔・疼痛管理シンポジウムでは犬の僧帽弁閉鎖不全症における麻酔管理についてでした。麻酔リスク評価には多くの先生方が超音波検査にてしており、当院においても実施可能であるため参考になりました。またやはりバランス麻酔が大事であり、一つの麻酔薬だけでなく鎮痛効果を発揮する各種薬剤を組合わせて、吸入麻酔薬の用量を減らしていくことが大事だと理解しました。

 対面方式での学会開催はやはり多くの刺激を受けることができます。私もプログラム後に講師に質問させていただき、自分の疑問点を会場の方々と共有し、意見をいただけたことで大変勉強になりました。さらに学会開催後もオンデマンドにて各プログラムを視聴することができるようになりました。これは新型コロナ感染症流行前にはなかったシステムのため、アフターコロナにおける数少ない良い点なのかもしれません。

 学会後は多くの先生方と交流させていただきました。懐かしい顔に会って旧交を深めたり、新たに知り合う先生方との出会いで横の繋がりができるのが学会参加の醍醐味でもあります。患者さんにはご迷惑をおかけして申し訳ないですが、今後も機会を見て参加できたらと思っています。

T.S.