葉月会 感染症学シリーズセミナー
東京大学 茂木先生 より
抗菌薬の正しい知識として抗菌薬の基本から特殊な性質など様々な知見が得られました。
抗生剤について大きくペニシリン系、セフェム系、フルオロキノロン系の3系統について解説されました。
ペニシリンは1928年にアレクサンダー・フレミングによって発見された、20世紀における偉大な発見の一つと言われています。
100年ほど前からの薬ですが、今でも十分効果は発揮されています。抗菌力や吸収効率が良い反面、半減期が早いため、複数回投与が必要となってきます。
セフェム系は多くの世代があり、作用スペクトルが広くなって使いやすくなっています。半減期が短く、たまに食欲不振や嘔吐下痢を起こすこともありますので、扱いには注意が必要です。
フルオロキノロン系は1日1回投与ですが、適応は尿路感染症のみとなっていて意外と使いづらい一面があります。
抗菌薬は正しい知識と感染症の分類をしっかりと把握しないと耐性菌を作るだけになります。
使用する際には十分気をつけましょう 。
H.F
第一回 猫の腎臓病1 腎臓病の検査と診断
石田 卓夫 先生
ねこ医学会(JSFM)会長/学術理事
日本獣医がん学会(JVSC)会長
一般社団法人 日本臨床獣医学フォーラム(JBVP)名誉会長
今回から猫の獣医学シリーズがはじまりました。ねこ医学会会長の石田先生によるシリーズセミナーで、猫ちゃんとは切っても切り離せない腎臓病の講義でした。今回は基本中の基本となる検査や診断についてでした。
腎臓で産生しているのは尿ですから、尿を検査すれば腎臓について多くの情報を得ることができます。意外と疎かにされがちですが、かなり大事なので当院でも猫ちゃんの飼い主さんにはその重要性についていつも説明させていただいています。講義では忘れがちな尿円柱について復習ができました。また血液検査だけでは腎臓の機能を正確に評価するのは難しく、それは腎臓以外の要因で血液検査の数値が大きく変動していってしまうからです。様々なパターンがあり、心臓など腎臓以外の臓器も慎重に精査すべきと改めて認識できました。
T.S.