葉月会 即実践!基礎から学べる臨床歯科シリーズ
第10回 犬猫に見られる口腔内腫瘍の対処法
戸田功先生 とだ動物病院 東京犬猫歯科院長
臨床歯科シリーズ最終回となる第10回目は口腔内腫瘍についての講義でした。
動物は口の中をよくみせてくれないために、口腔内腫瘍は発見が遅れることが多く、発見時にはすでにかなり進行した状態で見つかることが多い腫瘍です。猫における扁平上皮癌では、ヨダレが多くなり口腔粘膜がえぐれて痛みを呈するために食欲がなくなることが多くなります。早期に発見すれば手術可能ですが、多くは手術が難しく、対症療法的な管理がメインになることが多くなります。犬では悪性メラノーマが多く、積極的な外科手術となる顎骨切除により長期生存も見込めますが、これも発見が遅れれば手術不適応になる場合も少なくないため、やはり早期発見が大事になります。
口の中は見たくても見れないものです、それは動物病院でも同じです。詳細な観察と精査には麻酔下での検査が必須になりますが、大事なワンちゃん猫ちゃんのためには必要とあれば実施させていただいたほうが良いケースも多いです。ぜひご相談ください。
T.S.